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【事例あり】土間リビングとは?メリット・デメリットから失敗しないためのコツや対策までご紹介します。
目次
昔の日本家屋には当たり前のように存在した土間。家の外と内を繋ぎ、屋内にありながら屋外のように使える土間の魅力が、近年再注目されています。
特に、この土間とリビングを一体化させた「土間リビング」が人気です。土間リビングは、ライフスタイルや家族構成にあわせてさまざまな生活空間にでき、日々の暮らしを豊かにしてくれます。その一方で、屋内でありながら屋外に近いからこその注意点もあります。
土間リビングにはどのような役割があるのでしょうか。本記事では、土間リビングのメリットやデメリット、さらに土間リビングで失敗しないためのコツや対策をご紹介します。
土間リビングとは?
土間リビングとは土間とリビングを一体化した空間のことです。通常のリビングは、フローリングやカーペット敷きなど素足で歩けるようになっていますが、土間リビングは、床を貼らずにコンクリートやモルタル、タイルなどで仕上げ、土足で歩くことを前提としたリビング空間になっています。
開放的でおしゃれな空間を演出でき、リビングから屋外に気軽に移動できる新たな生活空間としてさまざまな活用ができるため、こだわりのあるオリジナリティのある家をつくりたい方におすすめです。
土間リビングのメリット
土間リビングを取り入れることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。まずは、土間リビングの主なメリットを4つご紹介します。
さまざまな用途に使える
土間リビングの最大のメリットは、さまざまな用途に活用できる点です。リビングから直接繋がり外にも出やすく土足で屋外のように使えるので、通常のリビングでは少しためらうような作業や趣味を楽しむ空間として利用できます。
例えば、ガーデニングやDIYを楽しんだり、子どもやペットの遊び場にしたり、庭やウッドデッキとゆるやかに繋がるサンルームや来客用のカフェスペースとして活用するのもおすすめです。
さらに、室内には持ち込みにくい自転車やベビーカー、アウトドアグッズなどを収納する場所としても重宝します。
また、何より土間リビングは室内にあるので、作業をしながら家族とのコミュニケーションを楽しめますし、家事をしながら土間で遊ぶ子どもやペットの様子を見守れるのも大きな魅力です。
リビングが開放的になる
土間リビングの土間は、周囲の床よりも1段低く設計されるため、空間に広がりを感じるおしゃれで開放的なリビング空間を演出できます。LDKにできる高低差や、フローリングなどの居住空間とコンクリートやモルタルなどの土間空間の素材の違いが、視覚的な変化をもたらし程よいアクセントになります。
汚れが気になりにくい
土間リビングは、もともと土足で使うことを想定してコンクリートやモルタル、タイルなど耐水性や耐久性が高い素材で作られているため、汚れが気になりにくく、水や食べ物をこぼしても簡単に掃除できます。
土間リビングは外で使うものを収納したり持ち込むことも多く、土や砂埃で汚れることもありますが、このような場合もブラシや箒で掃除したり、いざとなれば水洗いもでき、メンテナンスしやすい点も大きなメリットです。
夏場は涼しい
土間リビングに使われるコンクリートやモルタル、タイルなどの素材は熱伝導率が高く、触るとひんやりと冷たく感じます。そのため、夏場は涼しく快適な環境が保たれ、見た目も涼やかな印象で家全体が心地よい空気で満たされます。
自然な涼しさは心も体にも心地よさを与えてくれます。一般的に土間は土足で使うイメージですが、あえて土間リビングも室内の一部として素足で使う空間にするのも良いかもしれません。
土間リビングのデメリット
多様な使い方ができ、魅力がたくさんある土間リビングですが、大きなメリットでもある「室内でありながら屋外のように使える」点が逆にデメリットになってしまう可能性もあります。
後から後悔しないように、デメリットもしっかりと頭に入れておきましょう。
リビングに段差ができる
土間リビングは、構造上、土の上に直接施工される土間部分の床と、基礎の上に施工される室内スペースの床との間に段差ができてしまいます。段差があると老後は負担になりやすく、バリアフリー的には注意が必要です。
小さなお子さんや高齢者がいるご家庭は、あらかじめ設計段階から段差を小さくするように工夫したり、必要に応じてスロープを取り付けることを検討すると良いでしょう。
屋内の移動がしづらい
土間リビングでは基本的に土足で利用するため、ほかの室内と行き来するたびに靴の脱ぎ履きが必要になり、面倒を感じやすくなってしまいます。普段は土足で利用する場合でも、家の中で日常を過ごすときにはサッと脱ぎ履きができるサンダルを履くようにするなど工夫すると良いでしょう。
また、間取りを設計する際に日々の生活動線を考慮して土間とリビングの配置を設計することで、移動の動線を改善できる場合もあります。後から後悔しないように、事前に専門的なアドバイスを聞いて、プランニングをしっかりするようにしましょう。
冬場は寒い
夏場はひんやりと涼しい土間リビングですが、逆に冬場は足元が冷えて寒いというデメリットがあります。土間に使われるコンクリートやモルタル、タイルなどの素材は熱伝導率が高く、土の上にそのまま作られているため土の冷たさがそのまま上がってきてしまいます。
また、構造的に土間は外からの空気が侵入しやすく、低い位置にある土間部分に冷たい空気がたまりやすい傾向になります。快適な土間リビングの空間を実現するためには、家全体を高機密・高断熱仕様にしたり、薪ストーブや床暖房を導入するなど寒さ対策が必要です。
土間リビングで失敗しないためのコツと対策
土間リビングで失敗しないためには、デメリットをきちんと把握したうえであらかじめ対策を検討することが大切です。こちらでは、実際に土間リビングを取り入れる際に注意すべき点とその対策について解説します。
土間とリビングの間に扉をつける
開放的で特に夏場は涼しい土間リビングですが、冬など寒い日に土間とリビングを仕切れるように間に扉をつけることで、土間や窓からの冷気が入り込まないように防げます。また、扉をつけて仕切ることでLDKを効率的に冷暖房できるので省エネ対策にもなります。
土間とリビングの間に扉をつける際の注意点としては、リビングと土間の繋がりを分断してしまわないような扉を選ぶことです。ドアで完全に仕切ってしまうと開放感がなくなってしまい、せっかくの土間リビングの良さが半減していまいます。
例えば、上記の施工事例のように片引き戸3枚にすると、開けた扉がすっきりと収まり土間との一体感が出て開放感を感じられます。
断熱や湿気対策をする
土間リビングのある暮らしを快適にするためには、建物全体の断熱性をしっかりと考慮した設計にすることが重要です。一般的に冬場は寒く、湿度が高くなりやすいイメージのある土間ですが、高機密・高断熱の住宅設計にすることで土間があっても快適な暮らしを実現できます。
土間リビングは、特に床下から冷えが伝わってくるので基礎部分の断熱をしっかりと入れたり、二重窓にすることで室温を一定に維持しやすく快適な空間を保てます。また、土間リビングの壁に吸湿性のある珪藻土や漆喰の素材を使う方法もありますが、温度や湿度に左右されない快適な空間にするためには、土間だけでなく家全体の断熱性能をトータル的に高めることが大切です。
薪ストーブや床暖房を設置する
土間リビングと薪ストーブはとても相性が良く、薪ストーブを置くことでおしゃれなインテリアのアクセントになり、家族団らんの空間にもなります。薪ストーブはエアコンのように暖気で空気を暖めるのではなく、輻射熱で家全体の空間を暖めてくれるので、特に熱伝統率の高い土間には最適なアイテムです。
薪ストーブを使う際、薪の木くずや灰などで汚れやすいですが、土間であれば楽に掃除もでき、火を使う作業も安心して行える点もメリットです。
また、土間リビングの床下に床暖房を設置するのもおすすめです。土間に使われる素材は底冷えしやすい特徴がありますが、熱伝導率が対ため逆に熱を加えると温まりやすいため、床暖房を施工すると裸足で歩いても歩けるくらい床を暖かく保てます。床暖房を設置する場合は後付けが難しいので、新築時に検討しておきましょう。
土間リビングの間取り実例3選
こちらでは、これまでの施工事例から土間リビングを取り入れた間取り例を3つご紹介します。ぜひ土間リビングを検討する際の参考にしてください。
【実例1】玄関から繋がる開放的な土間リビングのお家
玄関を開けると広々とした土間リビングの空間に繋がります。土間空間では、お子さんと遊んだりDIY作業をしたりと家族の趣味を思いっきり楽しめる空間になっています。
また、土間とリビングの間はブルーグレーの3枚扉で空間を仕切れる構造になっており、扉を開けると開放的な大空間のLDKが広がります。扉を閉めると土間が一つの部屋になり別空間として楽しめますし、冷暖房を効かせたいときは空間を仕切ることで効率良く空気を暖めたり涼しくしたり調整できます。
内装の詳細写真やルームツアーのYouTube動画が「施工事例 – 土間で暮らす休日」からご確認いただけますのであわせてご覧ください。
【実例2】趣味を楽しむおしゃれな土間リビングの平屋
ご主人の趣味である観葉植物をリビングの中で育てるためのおしゃれな土間リビングの平屋のお家です。土間の素材は水や土汚れにも強いため、植物を育てる場所として最適です。
土間から繋がるLDKは24.5帖の開放的な大空間になっています。また、土間リビングから繋がる大きな掃き出し窓からダイレクトにお庭に出れる設計で、ペットのワンちゃんも土間からそのままお庭へ出て走り回れます。
内装の詳細写真やルームツアーのYouTube動画が「施工事例 – カフェテイストの平屋」からご確認いただけますのであわせてご覧ください。
【実例3】薪ストーブと暮らす土間リビングのお家
「薪ストーブのある暮らし」をコンセプトに家づくりを行いました。15帖のスタイリッシュで明るいLDKに、薪ストーブがさらにおしゃれなアクセントになっています。
薪ストーブの床はタイル貼りの土間仕様になっており、防火対策も万全です。
内装の詳細写真やルームツアーのYouTube動画が「施工事例 – 薪ストーブと暮らす平屋のような家」からご確認いただけますのであわせてご覧ください。
まとめ
土間リビングは、趣味や収納のスペースなどさまざまな多様な使い方ができ、家の外と内をゆるやかに繋ぎ暮らしに彩りを与えてくれます。家族それぞれが自分の自由な時間を過ごしながらもお互いが見える空間でコミュニケーションができる魅力的な空間をつくれます。
しかし、土間ならではの構造上から、家の断熱対策や土間とリビングの間の段差や部屋の行き来の動線など、あらかじめデメリットの対策を考えておく必要があります。まずは、土間を取り入れる目的や生活動線を明確にし、ご自身のライフスタイルに合ったオリジナルな土間リビングを実現しましょう!
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