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モールテックスの魅力とは?メリット・デメリットや失敗しないためのコツを紹介します。
目次
近年人気を集めているおしゃれな「モールテックス」という素材をご存知でしょうか。モールテックスは、床や壁、家具などさまざまなところに使用できるデザインモルタルで、シンプルで無機質な雰囲気でオリジナル感を出したい人におすすめの素材です。
本記事では、今人気のモールテックスの特徴や、メリット・デメリットを紹介しながら、モールテックスの魅力について解説していきます。モールテックスを使っておしゃれな家づくりをしたい方は、ぜひ参考にしてください!
モールテックスについてさらに詳しく知りたい方は「注目の仕上げ材『モールテックス』とは!? 前編」を合わせてご覧ください。
モールテックスってなに?
まずは、そもそもモールテックスとはどんな素材なのか、その特徴をご紹介します。
モールテックスとは
モールテックス(MORTEX)は、ベルギーのBEAL社が開発した薄塗りで仕上げられる鉱物左官塗材のことです。新築、改築を問わず、床や壁、家具など生活空間のさまざまなところで、幅広いデザイン性を実現できます。
また、モールテックスはモルタルとほぼ同じ材料でできており、見た目もモルタルに似ていますが、配合されている材料が少し異なります。モルタルは「セメント+砂+水」を混ぜてできているのに対して、モールテックスは「セメント+特殊な樹脂」を混ぜて作られます。
モールテックスの特徴
通常のモルタルと比べて、モールテックスは滑らかでツヤがある仕上がりになります。モールテックスの層を重ねてコーティングすることで、防水性が高くなり、水垢やシミが気になるキッチンや浴室、洗面台などの水まわりでも問題なく使用できます。
また、特殊な樹脂の効果によって柔軟性が高まり、モルタルに比べてクラック(ひび割れ)が入りにくく、きれいな状態を保ちやすい特徴があります。さらに、コンクリートの約5倍の表面強度があり、耐久性も高いため、家の中でも屋外でも場所を選ばず使用できます。
つまり、モルタルに特別な樹脂を混ぜることによって、防水性、耐久性、柔軟性が高くなり、デザイン性を兼ね備えた優秀な素材がモールテックスです!
モールテックスのメリット
続いて、モールテックスの主なメリットを3つご紹介します。
デザイン性が高い
「オオトリ建築の事務所にあるキッチンの腰壁」(本物の岩のように見えますがキッチンです!)
モールテックスの一番のメリットは、デザイン性が高く、とにかくおしゃれな仕上がりになることです。モールテックスは、左官屋さんがコテで仕上げていくため、職人さんの腕次第で世界にひとつだけの唯一無二の仕上がりにできます。
また、モールテックスはカラーバリエーションが豊富なため、好みやお家の雰囲気に合わせて色味を調整できます。標準カラーの64色に加え、さらに顔料を混ぜて色調に変化をつけたり、オリジナルのカラーを作成できます。
耐久性・防水性に優れている
モールテックスは、わずか2〜3mm程度の薄塗りで、表面強度はコンクリートの5倍あると言われています。曲げやたわみにも強く、多少下地材が伸縮してもクラック(ひび割れ)が入ることはほとんどありません。
また、モールテックスは防水性に優れているため、キッチンや洗面台など水まわりに使用できます。モルタルは水に弱く、諦めざるをえなかった場所でも、モールテックスを採用することで、意匠性が高いおしゃれな空間をつくれます。
接着性・柔軟性が高い
モールテックスは、接着力が強くどんな素材にも塗れるため、屋内屋外を問わず、床、壁、天井など場所を問わず施工できます。下地も選ばず、合板やボード、クロスやタイル、さらにはガラスなどにも直接塗ることが可能です。
既存の左官材のように下地処理が必要ないため、ゴミが出にくいメリットもあります。また、モールテックスは、接着性に加えて柔軟性も高いため、クラックが入りにくいうえに、角が欠けたり表面が削れにくい特徴があります。
このように、接着力が高く、薄塗りで角や細かいところにも塗れる特徴があるため、壁や床だけでなくダイニングテーブルなどの家具に施工できるのも魅力です。
モールテックスのデメリット
次に、モールテックスの主なデメリットを3つご紹介します。
コストが高い
モールテックスの一番のデメリットは、施工費用が高くなるという点です。相場は施工する場所や範囲によっても異なりますが、一般的に水まわりなどの強度や厚みが必要な箇所でおおよそ10,000~15,000円/㎡、その他の箇所であれば、おおよそ8,000~10,000円/㎡と言われています。
モールテックスの施工費用が高くなる理由は、施工工程が複雑で手間がかかるうえに、認定を受けた職人さんしか取り扱いができないため施工業者も限られるためです。コストが気になる場合は、こだわりたいキッチンやメインの壁一面だけモールテックスを採用し、その他はモルタルや木材にするなど場所によって使い分けるのもひとつの方法です。
ただし、モールテックスは一時的に見るとコストが高いように感じるかもしれませんが、長期間使用してもトラブルがほとんど起きない優秀な素材なので、他の素材を使用してひび割れなどトラブルが生じるたびに補修を繰り返すのと比べると、長期的には安くすむという一面もあります。
施工に時間がかかる
モールテックスは工程が多い左官材料で、施工内容も、乾燥やアク抜き、研磨、オイル塗布などさまざまな工程があります。
下地塗りの後、1層目と2層目に分けて施工し、それぞれ工程の間に乾燥時間が必要です。さらに、乾燥後にオイル塗布や研磨仕上げなど、複数の工程を経て完成します。
定期的なメンテナンスが必要
モールテックスは、耐久性や防水性に優れた素材ですが、全くメンテナンスが必要ないというわけではありません。おしゃれで美しい風合いを保つためには、定期的なメンテナンスが必要です。
オイルによる仕上げであれば、半年〜1年ほどでオイルを塗り込み、ニスによる仕上げであれば、おおよそ10年に一度ほどの頻度でニスの塗り直しをしましょう。どんな素材でも経年による色合いや風合いの変化はありますが、定期的にメンテナンスすることで、よりきれいに保てます。
モールテックスで失敗しないためのコツ
モールテックスで失敗しないために大切なポイントは、経験があり信頼できる施工業者に依頼することです。モールテックスは認定を受けた職人しか施工できず、依頼しても断られる可能性があるため、あらかじめ施工可能か確認しておく必要があります。
また、モールテックスは、基本的に施工範囲を一度塗りで仕上げていくため、職人さんの施工レベルやセンスがとても重要になります。職人さんによって施工レベルが大きく異なるので、経験があり、信頼できる施工業者に依頼するように気をつけましょう!
まとめ
機能性とデザイン性の両方を兼ね備えた、今話題のモールテックス。最近では、壁や床だけでなく家具などにも取り入れられるようになり、より暮らしの身近なところでコンクリート調のおしゃれな風合いや質感を楽しめるようになってきています。
現在はまだ施工できる職人も少なく、まだ広く知られていませんが、今後、モルタルに変わる左官資材としてトレンドになっていくでしょう。
オオトリ建設のモールテックスを採用した事例を知りたい方は「注目の仕上げ材『モールテックス』とは!? 後編」を合わせてご覧ください。
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